EDとは(勃起障害)
勃起できない、または維持できす、満足な性交渉ができない状態です。インポテンツ(インポテンス)は性的不能であり、病態を正確に表していないため、現在は「勃起障害(ED:erectile dysfunction)」と呼ばれています。
日本では、40~70歳の男性の半数以上が何らかの原因でEDになっているという疫学調査の結果が報告されており、EDに悩む人が1100万人以上いるとされています。
EDの原因
脳からの信号により神経を介して性的刺激が陰茎に伝わると、陰茎海綿体(いんけいかいめんたい)の動脈が拡張し、血液が流れ込みます。流れ込んだ血液をスポンジ状の海綿体(かいめんたい)が吸い込んで、大きく膨らんだ状態が正常な勃起です。
EDは、動脈の拡がりが不足して十分な血液が動脈に流れ込まないことでも起こりますし、勃起につながる神経のどこかにダメージがあって硬くなるまでに時間がかかったり、勃起が維持できないことで起こる場合もあります。
原因として指摘されているのは、糖尿病・高血圧・高脂血症・喫煙・飲酒などの生活習慣が原因で動脈の拡張が不充分になり、海綿体への血流の供給不足が起こってEDにつながるというものです。ほかにストレスなどの心理的な要因も大きく関わっているとされています。
EDの症状
思うように勃起できない、たまに勃起しないことがある、かたさが十分ではない、性交渉に自信が持てない、勃起を時速できない、満足できる性交渉ができないなどです。
EDの検査と治療
特に必要な検査はなく、問診が中心です。他の疾患で薬を服用している場合には、治療薬との相性を確認します。
陰茎の血管を拡張させて海綿体に流れ込む血液の量を増やすことで勃起を持続さるED治療薬を用いた治療が可能です。ED治療薬には、バイアグラ、レビトラ、シアリスなどがあり、性行為の前に内服します。
ED治療薬の注意点
ED治療薬は効果の持続する時間、飲酒や食事との関係、使用感に違いがありますので、ライフスタイル、お考えに合わせて選択します。
また、虚血性心疾患や網膜色素変性症の既応のある方には処方できない場合もあります。
シアリス、バイアグラ、レビトラという3種類の治療薬があります。3つの薬は、ホスホジエステラーゼ‐5という酵素の働きを抑えることで海綿体の平滑筋を弛緩させ、海綿体への血流量が増加して勃起しやすくする作用を持っています。海綿体に多くの血液を送り込んで、そこに血液を留めておく力を回復させて勃起を促しますが、性的興奮作用や性欲増進作用がないので、視覚的刺激や触覚的刺激などの性的刺激がなければ勃起は起こりません。
※治療費について:当院では薬代の費用以外にはかかりません。
※医内処方を行っており、プライバシー保護を重視しております。
タダラフィル(商品名:シアリス)
24~36時間という長い作用時間があるため、欧米ではウイークエンド・ピルと呼ばれています。使用感は一番自然で、マイルドだとされています。
開発した会社:アメリカのイーライリリー社
認可:欧米では2003年から販売されており、 すでに世界100カ国で1千万人以上の方が使用しており、日本では2004年に厚生労働省により認可されています。
1錠から処方しており、10mg:1,700円(税別)、 20mg:2,000円(税別)
タダラフィル(シアリスのジェネリック)
1錠から処方しており、10mg:1,200円(税別)、 20mg:1,400円(税別)
シルディナフィル(商品名:バイアグラ)
効果が現れはじめるのは30分後くらいで、5~6時間程度効果が持続しますが、空腹でないと吸収が阻害されます。そのため、食事後3時間以上経ってからの服用が望ましく、服用後の食事は1時間以上経過してからをおすすめしています。使用感の特徴として、硬さが出やすいとされています。
狭心症など、心臓の病気のために開発され、心疾患への効果以上に勃起を促進する作用が認められて製品化に至ったという経緯があります。
開発した会社:ファイザー製薬
認可:世界的に使用されているED治療薬で、1999年に厚生労働省により認可されています。
1錠から処方しており、50mg:1,000円(税別)
バルディナフィル(商品名:レビトラ)
服用後15分程で効果が現れはじめ、5~6時間程度効果が持続します。硬さが出やすく、刺激に鈍感になる傾向があります。
開発した会社:ドイツのバイエル社とイギリスのグラクソスミスクライン社による共同開発
認可:世界的に使用されているED治療薬で、2004年に厚生労働省により認可されています。
※当院では取り扱っておりません。